エッセイ3『時代に合わせた教育を』
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新聞掲載:2006/3/17 沖縄タイムス 【第3回目】
テーマ:時代に合わせた教育を

ちょうど一カ月前、私は那覇市内のある小学校の教壇に立っていました。キャリア教育の一環で六年生を対象に「ビジネスゲーム」を実施することになったのでした。ビジネスゲームとは与えられた条件下で買い手が欲している商品を作って売るというシンプルなゲームですが、児童のグループを規模の違う企業に見立てて与える物資や条件を変えてあるため、企業間交渉や取引を行わずしては商品が作れない仕組みになっています。
そんなゲームの最中、あるグループの児童が私の所に走ってきて「先生、隣のグループと合体してもいい?」と質問をしてきました。自分達のグループの弱い部分をしっかりと把握し、その弱い部分を補える他のグループと一緒に作業をした方が有利だと子どもながらに考えた結果のようでした。他にも、無地だった商品にステキなデザインを加え、「他のグループの商品より価値があると思うから、高い価格で買って欲しい」そう交渉している場面も見られました。
これらの提案や交渉はすべて児童自身、または各グループでの判断で実行されたものであり、そこでの教師の役割は「教える」ということより、「全体の流れをサポートする」という立場に徹することでした。
この体験から感じたことは従来の授業とは異なるスタンス、つまり「教える」から「育てる」というスタンスで教師がそのサポート役に徹したら、もしかすると児童はとんでもない能力を発揮したり、児童自身が大きな成長を遂げる可能性があるのかもしれません。
つい二週間前に那覇市でキャリア教育シンポジウムが開催され、その中で経済産業省のキャリア教育担当者が「今、大企業にも“指示待ち族”が増えている。失敗してもいいから挑戦してみるという気持ちがある人材が求められている」と話していました。
時代が変化している中で、時代に合わせて教育も変化させる必要があります。子どもたちが自ら考える、チャレンジする習慣を身に付けるために、大人は今、新しい教育の形にチャレンジする必要があるのではないでしょうか。
 (オーシャン・トゥエンティワン主任研究員)

第1回目:ビジネスの流れ体験で成果
第2回目:子どものチカラ引き出す源
第3回目:時代に合わせた教育を  
第4回目:「育てる活動」の充実  
第5回目:成長させる視点が重要  
第6回目:家庭での体験最高の教育 

お知らせ
2007/5/14 社員ブログ「YUKIRINAのキャリア教育」を配信開始しました
全国で導入されつつある「キャリア教育」。 経済産業省の委託を受け、『教育から日本を元気にしよう!!』と沖縄中を走り回る-YUKIRINA-が、キャリア教育コーディネーターの日々をお伝えします。。 その名も、沖縄発!!地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト。

さらに詳しく

キャリア教育のHP (2006/6/12 update)
 経済産業省委託事業「地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト」の公式HPです。
 キャリア教育プロジェクト→ http://www.career-edu.jp