エッセイ4『「育てる活動」の充実を』
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新聞掲載:2006/4/14 沖縄タイムス 【第4回目】
テーマ:「育てる活動」の充実を

前回は「教える」から「育てる」というテーマについてお話しましたが、今回はそのバランスについてお話いたします。
私たちが実施しているキャリア教育事業では、「教育」という言葉にこだわり、「教」=「教える活動」と「育」=「育てる活動」に明確に分けて研究を進めています。
「教える活動」は、従来の学校で教えている国語や算数など、教えれば教えるほど点数が上がるようにサポートをすることができます。
一方で「育てる活動」は、やる気や創造力やコミュニケーション力など、教えることで伸びるという訳ではなく、子ども自身が身に付けていくものだと考えています。
そのためには「体験」という大切な条件があり、その中で自分自身の様々な能力に気づき、成長のキッカケをつかんでいくのです。
以前ある小学校の児童に職場体験を実施したことがあります。初めは大きな声で挨拶ができなかった児童が、隣に居る友達が大きな声で元気よく挨拶をしている姿を見て「負けられない。私も頑張ってみようと思ったら、大きな声が出せました。」という感想がありました。
この体験で自信をつけた子どもの例にあるように「育てる活動」は学習時間量に比例せず、教師の一言や与えられた環境によって本人が気付き伸びる能力です。
現在の教育現場では大学受験や資格制度が重視される傾向にありますが、企業が求めている人材はやる気や創造力やコミュニケーション力の高い人材であるように思えます。
 これらの目標を達成するためには「教える活動」と「育てる活動」のバランスが重要です。その「育てる活動」においては、子どもが気付くための「場の提供」と、体験のための「環境整備」が教師や社会の大人たちの重要な役割だと思います。そして、「育てる活動」においては、子どもの生活空間(家族・学校を含む社会)全体が教育現場となり、子どもに接する全ての人がその教師になり得ます。
今、2年目に突入しようとしている沖縄のキャリア教育では、社会全体の人々の理解と、参加協力を得ることに重点をおいて進めています。
 (オーシャン・トゥエンティワン主任研究員)

第1回目:ビジネスの流れ体験で成果
第2回目:子どものチカラ引き出す源
第3回目:時代に合わせた教育を  
第4回目:「育てる活動」の充実  
第5回目:成長させる視点が重要  
第6回目:家庭での体験最高の教育 

お知らせ
2007/5/14 社員ブログ「YUKIRINAのキャリア教育」を配信開始しました
全国で導入されつつある「キャリア教育」。 経済産業省の委託を受け、『教育から日本を元気にしよう!!』と沖縄中を走り回る-YUKIRINA-が、キャリア教育コーディネーターの日々をお伝えします。。 その名も、沖縄発!!地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト。

さらに詳しく

キャリア教育のHP (2006/6/12 update)
 経済産業省委託事業「地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト」の公式HPです。
 キャリア教育プロジェクト→ http://www.career-edu.jp