《記載内容》
『ゲーム通し取引体験』 キャリア教育指定の神原小 事業の仕組み学ぶ
子どもたちの職業観の育成を図る経済産業省の「地域自律・民間活用型キャリア教育プロジェクト」の指定を受けている那覇市立神原小学校で二十二日、同事業の公開授業が行われた。六年二組の児童約四十人が、材料の仕入れから製造、販売の流れを架空の通貨での取引を通して模擬体験する「ビジネスゲーム」で利益を競い、会社の仕組みや社会の競争原理を学んだ。
同事業は、地元企業の経験やアイデアを最大限に活用することで、小中学生の段階でビジネスの楽しさや働くことの意義、面白さを理解してもらうことが目的。本年度から全国で25件が実施されている。県内では、神原小を含む那覇市内の小学校三校を対象とした「沖縄の伝統工芸品を活用した仕入れから販売まで学習できる新カリキュラム」と名護市内の小中高校八校を対象にした「やんばる夢発見プロジェクト」の二件が行われている。
公開事業は、有限会社未来教育設計(兵庫県)の代表取締役・吉住裕子さんや経済産業省から同事業の委託を受けている有限会社オーシャン・トゥエンティワンの上原由香さんら四人が担当した。
同ゲームは、架空の通貨単位「ベリー」を使用して取引する仕組み。児童らは三人から四人一組で壺屋焼きを製作して販売する会社をつくり、全部で十二の会社を設立した。各社は、「15ベリー」「30ベリー」など設定した価格を同時にボードで提示し合い、消費者役の上原さんらオーシャン・トゥエンティワンの担当者は最も安い販売価格を提示した会社から商品を購入した。
四社で一ブロックの三ブロックを形成。各ブロックごとに一社ずつがめくったカードで行動が制限される仕組み。カードに明記されている材料仕入れや商品販売などの中から次の行動を判断。仕入れや販売のタイミング、価格をいくらに設定するかなど戦略を立て、いかに多くの資金を調達できるかを競争した。
作った商品をすべて盗まれる「たいへんカード」もあり。運悪く同カードをめくってしまった子どもたちが頭を抱えてがっかりする場面もあった。
全体で最も多い「285ベリー」をあげた会社の一人、余儀実史君は「作戦を練るのが面白かった。またやりたい」と話した。 |
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